宅建業の免許換え手続き【千葉県版】県外移転・大臣免許への変更と必要書類

「東京に支店を出したいけれど、千葉県の免許のままで大丈夫?」
都道府県をまたぐ事務所の移転・増設は、変更届ではなく「免許換え」が必要です。
知事免許から大臣免許になる場合は、登録免許税や保証金の追加納付、3ヶ月以上の準備期間もかかってきます。
この記事では、千葉県知事免許からの3つのケース別に「費用」「審査期間」「必要書類」などについて、行政書士・宅建士の筆者が解説いたします。
都道府県をまたぐ移転は「免許換え」が必要
都道府県をまたぐ事務所の移転や増設を行う場合、単なる「変更届」では済まず、「免許換え」という大掛かりな手続きが必要になります。
「免許換え」とは、事務所の所在地が変わることにより、管轄する免許権者(都道府県知事や国土交通大臣)が変更になる場合の手続きです。
手続き上は「新たな免許の取得」となるため、新しい免許の交付を受けた時点で、現在の免許は効力を失います。
| 現在の免許 | 移転・増設のケース(例) | 新たな免許権者 | 必要な費用 | 審査期間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 千葉県知事 | 千葉県の事務所を廃止し、東京都にのみ事務所を移転 | 東京都知事 (他県知事) | 申請手数料 (移転先へ納付。例:3万3千円) | 約30〜40日 (※移転先により異なる) |
| 千葉県知事 | 千葉県に本店を残したまま、東京都に支店を増設 | 国土交通大臣 | 登録免許税 9万円(国へ納付) | 標準90日間 |
| 国土交通大臣 | 東京と千葉の事務所のうち、東京を廃止し千葉のみにする | 千葉県知事 | 申請手数料 (千葉県へ納付。3万3千円) | 約30〜40日 (※千葉県へ要確認) |
他県知事になるケース
会社全体としての事務所数は増えないため、保証金の追加納付は不要です。
ただし、移転先の都道府県に対する「申請手数料」が必要になります。
国土交通大臣になるケース
複数の都道府県にまたがって事務所を設置することになるため、管轄が大臣に変わります。
この場合、国税として「登録免許税9万円」の納付に加え、事務所が増える分の保証金の追加納付(または分担金の納付)が必要になります。
保証協会に加入している場合の分担金や手続きの詳細は、「宅建業の事務所移転・増設手続きガイド【千葉県版】パターン別の届出と期限」をご確認ください。
免許換え(国土交通大臣免許)に必要な書類一覧
申請書・基本情報に関する書類
| 必要書類 | 対象 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 免許申請書(第一面〜第五面) | 全員 | オンライン申請(eMLIT)を利用する場合はシステムへ直接入力 |
| 履歴事項全部証明書【原本】 | 法人 | 受付日前3ヶ月以内に発行されたもの 電子的な証明書は不可 |
| 住民票(マイナンバー記載なし) | 個人 | 受付日前3ヶ月以内に発行された原本 |
| 5%以上の株主・出資者等の名簿 | 法人 | 該当者がいない場合も、余白に「該当なし」と記載して提出が必要 |
「人」に関する書類(役員・政令使用人・宅建士)
| 必要書類 | 対象 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 誓約書 | 全員 | 欠格事由に該当しない旨の誓約書 |
| 身分証明書【原本】 | 役員等 | 本籍地の市区町村で発行。受付日前3ヶ月以内のもの |
| 登記されていないことの証明書【原本】 | 役員等 | 法務局で発行。受付日前3ヶ月以内のもの 電子的な証明書は不可 |
| 略歴書 | 役員等 | 役員・政令使用人用と、専任宅建士・顧問等用がある |
| 代表者等の連絡先に関する調書 | 役員等 | 事務所の番号ではなく、個人の連絡先を記載 |
| 専任の宅地建物取引士設置証明書 | 全員 | 事務所ごとに、従事する人数と専任宅建士の要件を満たしている証明 |
| 専任の取引士の「取引士証」の写し | 全員 | 表・裏の両面のコピーが必要 |
| 従事する者の名簿 | 全員 | 申請日時点の内容で事務所ごとに作成 |
「事務所」に関する書類
| 必要書類 | 対象 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 事務所を使用する権原に関する書面 | 全員 | 賃貸借契約書など。転貸借契約の場合は、所有者の転貸承諾書等も必要 |
| 事務所付近の地図(案内図) | 全員 | 最寄り駅等からの経路を明示した地図 |
| 事務所の平面図・間取り図 | 全員 | 机や応接スペースの配置がわかる図面。写真の撮影方向の矢印も記載 |
| 事務所の写真 | 全員 | 外観、入口(会社名表示)、内部の執務室や応接室、業者票等のカラー写真(3ヶ月以内撮影) |
「財務・実績」に関する書類
| 必要書類 | 対象 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引業経歴書 | 全員 | 直前5年間の実績等。実績がない場合も「実績なし」として提出必須 |
| 決算書の写し | 法人 | 直前1年分(表紙、貸借対照表、損益計算書) 新設法人は「開始貸借対照表」 |
| 資産の状況を示す書面 | 個人 | 個人申請の場合のみ作成 |
| 納税証明書(その1)【原本】 | 全員 | 税務署発行の直前1年分のもの 新設法人は不要 |
費用・提出に関する書類
| 必要書類 | 対象 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 登録免許税(9万円)の領収証書 | 全員 | 国税として納付し、その領収証書の原本を免許申請書の第五面に貼付 |
| 郵送チェックリスト・返信用封筒 | 全員 | eMLITでのオンライン申請であっても、書類の郵送や新しい免許証受け取りのために必要 |
このように、都道府県をまたぐ事務所の移転・増設は「免許換え」が必要です。
- 他県知事免許:審査期間約30〜40日
- 大臣免許:登録免許税9万円と保証金の追加納付、3ヶ月以上の準備期間が必要
免許換えの申請中は、新しい免許が交付されるまで新事務所での営業を始められません。
また、登録免許税は収入印紙ではなく、現金納付した領収証書を申請書に貼付する点にもご注意ください。
免許換えは書類の数が多く、大臣免許の場合は申請から交付まで3ヶ月以上かかります。
「自社はどのケースに当たるのか」「いつまでに何を準備すべきか」など、お悩みの方は下のフォームからお気軽にご相談ください。
