宅建業免許の事務所要件とは?自宅・賃貸物件で開業できる?【千葉県】

「不動産会社をこれから始めたい!」という方にとって、「事務所はどうしよう、どこにしよう」と考えている方も多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、宅建業の事務所は自宅や賃貸でも、物理的に仕切られた独立した事務所と必要な設備が整えば開業できます。

この記事では、宅建業の事務所の要件や自宅・賃貸物件で開業するための方法を分かりやすく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

目次

宅建業免許の「事務所」とは?

宅建業法における「事務所」とは、商業登記簿上の本店や支店など、継続的に宅地建物取引業の業務を行うことができる施設を指します。

また、支店のみで宅建業を営み本店では宅建業を行わない場合であっても、その本店は法的な「事務所」として扱われ、同様に免許要件を満たす設備等を備える必要があります。

本店(主たる事務所)支店(従たる事務所)
法人の場合は商業登記簿上の本店と一致している必要。
支店のみで宅建業を営業する場合であっても、本店自体にも宅建業の免許要件を満たす設備等を整えて免許を受ける必要があり。(保証金もしくは弁済業務保証金分担金の納付が必要)
本店以外で宅建業を営業する拠点であり、営業保証金は1か所につき500万円(保証協会加入時は30万円)となる。

事務所に求められる3つの要件

事務所に求められる「3つの要件」について、千葉県のガイドラインに基づいて解説します。

設備

単独利用の固定電話申請事務所専用の電話が必要。自宅や他社との兼用は認められないが、インターネット電話等の利用は可能
必要な事務設備パソコン、プリンター、従業者全員が執務できる机等のスペース、応接セットを揃えることが必要
事務所内での完結上記の事務設備がすべて申請事務所の内部に配置・設置され、事務所内で機能が完結していること

独立性

事務所として、物理的に独立した形状を備えている必要があります。

居宅部分や他社部分のすべての部屋および共用部(廊下等)が、扉や壁で完全に仕切られていることが必要です。

所在地・表示

事務所が「市街化調整区域内」に位置する場合は、当該建物の建築確認(確認済証等)を受けている必要があります。

また、建物の外観または事務所の入り口に正式な商号を掲示する必要があり、屋号やロゴマークのみの表示は認められません。

賃貸物件(アパート・マンション・テナント)で開業するには?

  • 貸主に事務所として使用できるか確認
  • 使用承諾書(転貸承諾書)の発行を依頼する
  • 看板掲示や設備工事の了解を得る

賃貸物件で開業する場合、申請者が該当物件を事務所として適法に使用できる権利(権原)を有していることを証明するため、免許申請時に「事務所を使用する権原に関する書面」(賃貸借契約書の写し等)を添付・提出する必要があります。

そのため、まずは大家さん(もしくは管理業者)に宅建業の事務所としての使用可否を確認します。

了解が得られたら、免許申請で提出が必要となる「使用承諾書」の作成・発行に対応してもらえるか事前に確認・依頼します。

その際に、事務所入口や建物外観への「正式商号の掲示」や、専用固定電話の引き込み工事などが可能かどうか、事前了解もとっておきましょう。

賃貸借契約の相手方(貸主やサブリース会社等)と建物の所有者(大家)が異なる転貸借(サブリース)等の場合は、通常の契約書に加えて「所有者が使用を承諾していることを証明する書類(所有者の転貸承諾書等)」の添付が必須となります。

バーチャルオフィス・レンタルオフィス・シェアオフィスは使えるか?

千葉県のガイドラインでは、「シェアオフィス(事務室や応接室を従業員以外が利用できる形態)での営業は認められない」と明記されています。

バーチャルオフィスや一般的なシェアオフィスは、「事務所内で設備が完結していること」や「壁・扉での物理的な独立性」といった要件を満たせないため原則利用できません。

レンタルオフィス等であっても個室が確保できる場合で、「どうしてもレンタルオフィスで始めたい」という方は、動線や設備要件を満たせず免許申請が受け付けられない事態を防ぐためにも、必ず契約前に平面図等の資料を持参し、千葉県(建設・不動産業課)へ事前に確認・相談は行ってください。

申請時に必要な事務所関係の書類

書類名概要・注意点
事務所を使用する権原に関する書面・賃貸の場合は使用承諾書(転貸承諾書)、転貸に場合は「所有者の転貸承諾書」等の添付が必要
・市街化調整区域内の場合は「建築確認が取れていることが分かる書類」が必要
事務所付近の地図(案内図)最寄り駅から事務所までの経路や目印となる目標物を明記した詳細な地図
事務所の写真・建物外観、建物入口から事務所入口までの経路、事務所入口、事務所内部のレイアウトなどの位置関係も詳細にわかるように撮影
・新規は「宅建業免許申請中」の掲示を行って撮影
事務所の平面図机、電話、コピー機、応接セットなど、事業に必要な設備の配置が分かる平面図を作成

よくある質問(FAQ 4〜5問)

自宅の一室だけを事務所にできますか?

玄関から居室やリビングなどの居住部分を通らずに、直接その部屋(事務所)に入れる配置であれば可能です。
しかし、リビングなどを通過しなければ事務所に入れない、事務所内を通過しなければ奥の居室に行けない配置では事務所要件を満たしていないため、不可となります。

看板や表札は屋号やロゴだけではダメですか?

屋号やロゴのみの掲示は認められません。
建物の外観または事務所の入り口には、登記上・申請上の正式な商号(法人名や届出を行う正式名称)を掲示する必要があります。

自宅の固定電話を事務所の電話にできますか?

自宅用の固定電話をそのまま事務所の電話として兼用することはできません。
固定電話は「申請事務所単独で利用するもの」と定められており、自宅用や他社との兼用は認められていません。事務所専用の固定電話回線を新しく引き直すか、インターネット電話(IP電話等)などを事務所専用として導入する必要があります。

コワーキングスペースやシェアオフィスで開業できますか?

一般的なコワーキングスペースやフリーアドレス型のシェアオフィスでの開業は認められません。
千葉県のガイドラインでは、「シェアオフィス(事務室や応接室を従業員以外が利用できる形態)での営業は認められない」と明記されています。他者と空間を共有するフリースペースや共用応接室での申請はできません。

契約前に、物件が事務所要件を満たすか相談できますか?

契約や内装工事の前に確認するのが安全です。
契約後に要件を満たさないと分かっても、契約解除することができないことが多いです。
千葉県の担当課(建設・不動産業課 不動産業班、電話 043-223-3238)に問い合わせることができます。
また、当事務所でも、間取り図や契約書をもとに事前のご相談を受け付けています。
ぜひ、ご活用ください。

出典:千葉県「宅地建物取引業者の事務所要件について」
  千葉県「宅地建物取引業の免許申請(新規・更新)」(2026年10月13日確認)

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