専任宅建士が不足・退職したら?2週間以内にやること【変更届は30日以内】

「専任の宅建士が辞めることになった」
専任の宅建士が不足した場合は、「2週間以内の後任の補充」と「30日以内の変更届出」が必要です。
そして、この2週間の期限を過ぎてしまうと、業務停止や罰金といった処分を受ける可能性があります。
本記事では、千葉県で専任宅建士から退職の連絡を受けた時に「何をすべきか」「変更届の必要書類」「後任選びの注意点」まで、行政書士がわかりやすく解説します。
| 期限 | やること | 期限超過した場合 |
|---|---|---|
| 欠員から2週間以内 | 後任の専任宅建士を補充業務 | 業務停止・罰金の対象になり得る |
| 変更から30日以内 | 変更届を提出 | 始末書が必要。 千葉県では郵送不可 |
専任の宅建士が退職した場合、まず確認したいこと
専任の宅地建物取引士(宅建士)が退職すると聞いたらまず確認すべきことは、事務所が「専任者を欠く状態」に陥っていないかどうかです。
補充をしないまま放置すると、業務停止や免許取消し処分になる可能性があります。
「専任者を欠く状態」とは?
宅地建物取引業法では、業務に従事する者5人につき1人以上の割合で、専任の宅建士を置くことが義務付けられています。
「専任」とは、その事務所に常勤し、営業時間中は原則としてその事務所の業務に専従できることを指します。そのため、他事務所との兼務者や非常勤、アルバイトは専任者として認められません。
宅建試験合格だけでは不十分で、宅地建物取引士証の交付を受けていることも必要です。
退職によってこの「5人に1人以上」の基準を下回った場合、その事務所は「専任者を欠く状態」になります。
まずは、在籍する宅建士の人数と従業者数を照らし合わせ、この状態に当てはまっていないか確認しましょう。
欠員から「2週間以内」に補充しないとどうなるか?
専任の宅建士が退職して「専任者を欠く状態」になった場合、宅建業者は「2週間以内」に専任宅建士を補充しなければなりません。
補充方法は、新規採用または社内の配置転換のいずれでも可能です。
補充せずに営業を続けて2週間経過してしまった場合、次のような行政処分の対象になり得ます。
- 都道府県知事等による1年以内の業務停止(全部または一部)
- 宅建業者に対する100万円以下の罰金
専任宅建士の退職が決まった時点で、早めに後任の手配を始めることが大切です。
補充した後にやるべきこと 変更届の提出
専任の宅建士が退職(退任)または、入社(就任)して名簿の登載事項に変更が生じた場合、変更があった日から30日以内に変更届を提出する義務があります。
期限を過ぎると、通常の書類に加えて、遅れた理由や改善の意思を記載した始末書が必要です。千葉県では期限後は郵送での提出ができず、窓口への持参か電子申請のみとなります。
変更届の必要書類(千葉県)
| 必要書類 | 退任(退職)のみ | 新たに入社 | 備考・注意点 |
|---|---|---|---|
| 変更届出書 (様式第三号の四) | 〇 | 〇 | 変更のあった事項(専任の宅建士に関する部分)を記入。 ※令和7年1月からの電子申請の場合は、システムへの入力となるため様式データの添付は不要。 |
| 専任の宅地建物取引士設置証明書 | 〇 | 〇 | 退任や就任どちらにおいても、法定数(5人に1人以上)を適法に満たしていることを証明するため、どちらの場合でも提出が必要。 |
| 略歴書 | × | 〇 | 新たに就任する宅建士全員分が必要。職種に関わらず、現在に至るまでの職歴を詳細に記入。 |
手続き上の注意点
- 身分証明書等の提出廃止について :法令改正により、令和6年5月25日以降、専任の宅建士が就任する際の「身分証明書」および「登記されていないことの証明書」の提出は不要となりました。
- 宅建士個人の手続き(資格登録簿の変更)について :専任の宅建士が就任(入社)する場合、業者としての変更届を千葉県へ提出する前に、宅建士本人が個人の手続きとして「資格登録簿の変更登録(勤務先の変更等)」を完了させておく必要があります。
- 千葉県では、「個人の変更登録申請書の写し」は、変更届の際に必要書類にはなっていませんが、状況に応じて確認書類を求められる場合があるため、宅建士本人から「個人の変更登録申請書の写し」のコピーをもらって、手元に控えを残しておくと安心です。
変更届の提出先(千葉県)
千葉県知事免許の場合の申請先は、千葉県庁の「県土整備部 建設・不動産業課 宅建業閲覧室」(県庁中庁舎7階)です。
提出方法は、紙申請(窓口持参・郵送)と電子申請(eMLIT)のどちらでも可能です。
後任の専任者を選ぶときの注意点
後任の専任の宅地建物取引士(宅建士)を選ぶときは、次の3点を必ず確認してください。確認不足のまま届け出ると、2週間の期限内に補充できない事態になりかねません。
社内の人を後任にする場合の確認点
社内の配置転換で補充する場合も、次の条件を満たしている必要があります。
- 宅建試験に合格しているだけでなく、宅建士証の交付を受けている
- 他の事務所との兼務ではなく、その事務所に常勤している
- 宅建士証の有効期限が切れていない
試験に合格していても、登録や宅建士証の交付が済んでいなければ専任者にはなれません。社内に合格者がいる場合は、早めに手続きの状況を確認しましょう。
兼業・副業中の宅建士を専任者にできるか?
専任の宅建士になるための最大の条件は、その事務所に「常勤」していることです。そのため、他の会社でも働いている「兼業・副業している人」を専任者にする場合は注意が必要です。
後任候補が他社の役員や従業員を兼務している場合は、次の対応が必要です。
- 変更届の「略歴書」に兼務先の職歴も記入する
- 兼務先の法人が発行する「非常勤証明書」を提出し、その勤務が非常勤であることを証明する
兼務先でも「常勤」扱いとなっている場合は、専任の宅建士として登録できません。
代表者を専任者にする場合の注意点
「専任の宅建士が退職したら、社長(代表者)自身が資格を持っているので、専任者にすればいい」と考える方もいますが、それも注意が必要です。
代表者が専任の宅建士を兼ねること自体は可能ですが、常勤の要件は代表者であっても免除されません。別法人の代表を兼任しているなど、宅建業の事務所に常駐できない場合は、専任者として認められません。
兼務している場合は、兼業・副業の場合と同様に、兼務先の非常勤証明書が必要です。それが出せなければ、別に常勤できる宅建士を確保することになります。
「専任の宅建士が交代・退職した時」のよくある失敗・トラブル事例
専任の宅建士の交代や退職の場面では、実務上さまざまなトラブルが起こりがちです。ここでは、特に多い失敗事例とその対策を解説します。
退職の申し出から実際の退職日までが短く、後任が間に合わないケース
「来週末で辞めたい」といった急な退職の申し出があり、後任探しが間に合わないケースです。
専任の宅建士が退職して法定数(従業者5人に1人以上)を下回った場合、2週間以内に後任を補充しなければなりませんが、新規採用で求人から面接、採用までを2週間で終えるのは現実的に難しいのが実情です
社内に宅建試験の合格者がいても、宅建士証の交付や登録手続きが済んでいないと専任者として届け出ることができず、期限に間に合わなくなるおそれがあります。
- 頃から法定数ギリギリではなく、余裕を持った人数で専任の宅建士を配置しておく
- 就業規則で「退職の申し出は◯ヶ月前まで」と定め、急な欠員を防ぐ
変更届を出し忘れが更新時に発覚するケース
入退社のあと、業務の忙しさから変更届(変更後30日以内)を出し忘れ、5年に1度の免許更新時に発覚するケースです。この場合、更新申請の前に、遅れた変更届と始末書の提出を求められることがあります。
- 従業員の入退社時のチェックリストに「変更届の提出」を必ず組み込む
- 宅建士個人の「資格登録簿の変更」の控えのコピーをもらい、会社側で進行状況を管理する
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お困りの方はご相談ください
- 期限まで日数がなく、平日日中に動く時間がない
30日を過ぎると始末書が必要になり、千葉県では郵送不可(窓口か電子申請のみ)になります。 - 会社と個人の手続きの順序に不安がある
入社と退職で順序が逆になり、間違えるとやり直しになることがあります。 - 兼業・非常勤の専任者がいる
非常勤証明書の取得や、専任者として認められるかの判断が必要です。 - 代表者・役員の変更や移転など、複数の変更が重なっている
必要書類と提出の順序が複雑になります。 - 過去に変更届を出し忘れたかもしれない
更新時に発覚すると、遅れた届出と始末書を出してからの更新になります。まず現状の確認だけでもご相談ください。
専任の宅建士の退職は急に決まることが多く、2週間以内の補充と30日以内の変更届を、通常業務と並行して進めるのは大変なご負担になるかと思います。
さえぐさ行政書士事務所では、お客様の状況を整理し、期限に間に合うよう宅建業免許の変更届のお手続きサポートをしております。
ご相談は無料ですので、お困りの際はお気軽に当事務所にご相談ください。
