宅建業の支店新設手続き【千葉県版】専任宅建・必要書類・保証金を解説

宅建業者が千葉県内に支店(従たる事務所)を新設するとき、「事務所の変更届を出せば完了」と思っていませんか?

実は、それだけでは支店を開業できません。

政令使用人と専任の宅建士の設置に加え、営業保証金500万円の供託、または保証協会への分担金30万円の納付など、様々な手続きが必要です。

この記事では、宅建業者が千葉県内に支店を新設するときの必要書類や人員要件、保証金の違い、県庁と保証協会の手続きの進め方について解説します。

目次

支店(従たる事務所)を同じ県内に新設する場合の手続き

既存の宅建業者様が支店(従たる事務所)を新たに設ける場合、単に「新しい場所を借りました」という事務所の変更届だけでは手続きは完了しません。

新事務所を適法に稼働させるためには、「人員の確保」と「資金(保証金)の準備」という2つの重要な要件を満たすことが必要です。

支店(従たる事務所)新設の必要書類一覧

区分必要書類備考・注意点
(電子申請・紙申請共通)
事務所様式第三号の四(事務所)
※変更届出書
・紙申請(窓口)の場合は用紙に記入
・電子申請(eMLIT)の場合はシステムへ直接入力
事務所履歴事項全部証明書【原本】・法人かつ「支店の登記」をした場合のみ必要
<3ヶ月以内の原本>
事務所事務所を使用する権原に関する書面・賃貸借契約書など。
・転貸借契約等の場合は、所有者の転貸承諾書等も必要
事務所事務所までの案内図・最寄り駅から事務所までの経路を記載した地図
事務所事務所の内部及び外部がわかる写真・建物外観、入口までの経路、事務所入口、内部等を詳細に撮影した3ヶ月以内のカラー写真
事務所事務所の平面図・間取り図・机や応接スペースの配置がわかる図面
政令使用人様式第三号の四(政令使用人)
※変更届出書
・電子申請の場合はシステムへ直接入力
政令使用人履歴事項全部証明書【原本】・「支配人の登記」をした場合のみ必要
就任日がわかるもの
政令使用人5条1項各号に該当しない旨の誓約書・政令使用人本人が欠格事由に該当しない旨の誓約書
政令使用人新たに就任した政令使用人の略歴書・他法人で非常勤役員等を兼ねる場合は、非常勤証明書が必要
政令使用人身分証明書【原本】・本籍地の市区町村で発行(3ヶ月以内)されたもの
政令使用人登記されていないことの証明書【原本】・法務局で発行(3ヶ月以内)されたもの
電子的な証明書は不可
政令使用人代表者等の連絡先に関する調書・事務所の電話番号ではなく、個人の連絡先を記載
専任宅建士様式第三号の四(専任の宅建士)※変更届出書・電子申請の場合はシステムへ直接入力
専任宅建士専任の宅地建物取引士設置証明書・設置する人員の状況を証明する書類
専任宅建士新たに就任した専任宅建士の略歴書・政令使用人と専任の宅建士を兼任する場合は提出不要(No.10の略歴書で兼ねるため)
・他法人で非常勤役員等を兼ねる場合は、非常勤証明書が必要

専任の宅地建物取引士の配置要件

宅建業法により、事務所にはその規模や業務内容に応じて、「業務に従事する者5名につき1名以上」の割合で、成年者である専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。

支店を新設する場合も当然この要件を満たす必要があり、新事務所の変更届と併せて「専任の宅地建物取引士の就任」の変更届(30日以内)を提出しなければなりません。

届出における重要なチェックポイントは、以下の2点です。

  • 事前に個人の「資格登録簿の変更」を済ませておく
  • 政令で定める使用人(支店長など)との兼任

新たに就任する専任の取引士は、会社としての届出を行う前に取引士個人の手続きとして、登録している都道府県へ「資格登録簿の変更(従事先の変更等)」を完了させておく必要があります。

また、新設する支店には、契約締結権限等を持つ「政令で定める使用人」も設置する必要があります。

この政令使用人が要件(常勤できるなど)を満たしていれば、専任の宅地建物取引士を兼任することが可能です。

従来、専任の取引士が就任する際には「身分証明書」や「登記されていないことの証明書」の提出が必要でしたが、令和6年5月25日よりこれらの提出が不要となりました。現在は、設置証明書、略歴書、取引士証の写し等で手続きが可能です。

営業保証金・弁済業務保証金分担金の追加納付

支店が増えるということは事業規模が拡大し、消費者との取引機会も増えることを意味します。

そのため、万が一の際の消費者保護を目的として、事業を開始する前(または新設後すぐ)に増設した事務所の数に応じた保証金の追加納付が法律で義務付けられています。

項目営業保証金
(保証協会未加入)
弁済業務保証金分担金
(保証協会加入)
納付先法務局保証協会
納付額
(従たる事務所1か所につき)
500万円30万円(+加入協会の入会金・年会費等が別途発生する場合あり)
納付期限事業開始前に供託し、免許権者へ届出事務所設置日から2週間以内
期限を過ぎた場合―社員資格を喪失。1週間以内に法務局へ営業保証金(本店1,000万円+支店500万円等)を再供託する必要あり

保証協会に加入していれば納付額は30万円と安く済みますが、事務所設置日から2週間以内という短い期限があり、過ぎてしまうと社員資格を失い法務局への高額な営業保証金供託に切り替わります。

営業保証金の場合は500万円と高額ですが、営業開始前に供託・届出を済ませればよい形です。

費用面では保証協会の加入が有利ですが、期限管理のリスクが高くなる点には注意しましょう。

保証協会(ハト・ウサギ)への届出について

宅建業の事務所を増設する際は、県庁などの行政窓口だけでなく、加入している保証協会(ハトマークの「全国宅地建物取引業保証協会」やウサギマークの「不動産保証協会」)への手続きも忘れてはなりません。

増設における保証協会での手続きと県庁の手続きと同時並行で進めなければならない理由についても、分かりやすく解説します。

増設の場合は分担金・保証金の納付が発生する

新たに支店や営業所を追加する増設の場合、事業規模が拡大し消費者との取引も増えるため、保証協会への「追加費用」と「期限」が設けられています。

  • 必要な費用:従たる事務所(支店)を1か所増設するごとに「弁済業務保証金分担金 30万円」を保証協会へ追加で納付する必要があり
  • 納付の期限:新たに事務所を設置した日から「2週間以内」に納付

この「2週間以内」の期限を過ぎてしまうと、保証協会の社員としての地位を失ってしまいます。地位を失うと、多額の「営業保証金(本店1,000万円+支店500万円)」を直接法務局へ供託し直さなければならなくなるため、注意が必要です。

ちなみに、支店が増えない「移転」の場合は、保証協会に対して新しい所在地などを申告する「変更の届出」を提出するのみとなっています。

県庁手続きと保証協会の手続きを同時並行で進めないと開業日がずれる理由

「まずは県庁の変更届や免許換え申請を終わらせてから、後でゆっくり保証協会の手続きをしよう」と考えていると、新事務所の開業日(営業開始日)が大きく遅れる原因になります。

理由①:免許換えの場合、保証協会の手続きが終わらないと「新しい免許証」がもらえない

県外への移転や増設などで新たに免許を受け直す(免許換え)場合、県庁等で書類の審査が通っただけでは新しい免許証は交付されません。

 新しい免許証を受け取るには、「業者が保証協会へ分担金を納付した」という報告が保証協会から行政(県庁や地方整備局など)に届いている必要があります。

 県庁の審査と並行して保証協会への手続き(変更や分担金納付)を進めておかないと、新しい免許証の交付が滞り、新事務所の開業が遅れてしまいます。


理由②:増設の場合、納付・届出を済ませないと「事業を開始できない」

同一県内で事務所を増設する場合も、法律上「事務所ごとに保証金(または分担金)を納めその届出を済ませてからでないと、その事務所で営業を始めてはいけない」というルールがあります。

保証協会に加入している場合は設置から2週間以内という納付期限がありますが、この期限内であっても、実際に営業を開始できるのは「県庁への届出(専任の宅建士の設置届など)」と「保証協会への分担金納付」の両方が完了してからです。

どちらか一方だけでは営業を始められないため、2つの手続きは必ずセットで進める必要があります。


上記の理由から、新事務所のオープン予定日が決まったら、「県庁への手続き」と「保証協会への手続き」は常にワンセットと認識しておきましょう。

両方の窓口へ同時に事前相談を行い必要書類を並行して準備することで、事務所増設をスムーズに進めることができます。


当事務所では、宅建業免許の申請・変更手続き、各種証明書の取得までトータルでサポートしております。

「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。

ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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